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2008年3月20日 (木)

ノー・カントリー

Country2

 割引も使わないで映画を観たのは何年ぶりでしょうか。アカデミー賞に敬意を表して、隣県まで見に行ってきました。ネタばれもネタばれ。全部結末も書いてしまってあるのですいません。(3月19日 小田原TOHO シネマズにて鑑賞)

 本当にいろいろ考えさせられる映画です。

 とにかく、殺し屋のシガーや大金を手に入れたモスではなく、トミー・リー・ジョーン扮する保安官が主役であることを理解しないで観ると、混乱してしまう映画だと感じました。

 シガーは異常者です。ハンニバル・レクターと比べてもさらに理解できないほどの異常者です。彼の殺人の動機はほとんどないと言っていいくらいですから。(ハンニバルには独自の美学がありました)

 ほとんど常人には理解できない理由で人を殺していきます。その「理屈」は殺人現場に潜んでいた時に保安官が現われても、彼を殺さなかったことからも異常だと思えます。そう、あの時のシガーには保安官を殺す「理屈」がなかったのですから、殺せないのです。

 彼は最後にモスの奥さんを殺しに行きます。その時に彼は彼女から直接、彼の「理屈」を否定されたのです。その彼女の発言は彼の(あるとすれば)理性を混乱させるのに十分なものでした。だから彼は交通事故を起こしたのです。

 モスも異常者です。もちろん誰だって金は欲しい。それは否定しません。でも、そのために自分の命を落とすような状態に陥っても?シガーには命乞いは通用しないでしょう。それでも、もう少し早くこの状態を放棄できるようなチャンスはあったはずです。「ファーゴ」の最後のセリフではないですが、金のためにそこまでやる?といったところでしょう。

 この二人に対して、保安官はその行動が理解できない状態にはまります。モスが死体で見つかった時に、彼は「ここでは無線が入らない」というセリフを吐きますが、そうではなくてもうこれは自分が理解できる相手ではない、と独白したようなものだと感じました。

 映画は人間として常軌を逸した人たちに対する、主人公の態度、姿を表しています。終りの方で自分の叔父の所に行った時に、叔父は「昔も今も残虐さは変わらない」という例えの話をします。それでも彼はその話とは「何かが違う」ものを今回の事件で感じています。

 最後に不思議な夢の話を保安官はします。自分の親の話です。摩訶不思議な夢です。親は自分を幸せな場所で待っていると感じています。そこにたどり着くまでは、辛い道であるようなことも示唆しています。

 これはどういうことでしょうか?

 人と人。本当に理解できるのでしょうか。相手が異常者でなくても理解できないケースもあります。この映画のテーマは人間同士の理解、そこに尽きるのだと思います。

 映画ではあまりにも極端な性格異常者を一つのケースとして取り扱いましたが、私はごく普通の人間同士の関係にも、今回のような相手を理解できないようなことがある。そんなことを言いたかったのでは?と考えてしまいました。それが現代という時代なんだと。

 それにしてもあまりいい趣味の映画だとは思えません。本当にアカデミー賞の会員は、この映画が昨年で一番素晴らしい映画だと感じたのでしょうか?それこそ、理解できない溝を感じます。

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受信: 2008年3月21日 (金) 12:35

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受信: 2008年3月21日 (金) 21:35

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受信: 2008年3月21日 (金) 22:00

» 「ノーカントリー」 [てんびんthe LIFE]
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受信: 2008年3月21日 (金) 23:32

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受信: 2008年3月22日 (土) 07:29

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受信: 2008年3月24日 (月) 03:53

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渋谷の渋東シネタワーで、コーエン兄弟の「ノーカントリー」を観ました。といっても、コーエン兄弟とは誰のこと?まあ、知らないことはたくさんあるので、別に驚きませんが。実は知人のブログで、彼がこの映画を観たということを知って、渋東シネタワーであれば駅から繋... [続きを読む]

受信: 2008年3月24日 (月) 10:12

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» コーエン兄弟の「ノーカントリー」を観た! [とんとん・にっき]
渋谷の渋東シネタワーで、コーエン兄弟の「ノーカントリー」を観ました。といっても、コーエン兄弟とは誰のこと?まあ、知らないことはたくさんあるので、別に驚きませんが。実は知人のブログで、彼がこの映画を観たということを知って、渋東シネタワーであれば駅から繋... [続きを読む]

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ハンニバル・レクター以来映画史上最悪の死の運び屋__。 静寂の中に漂う異様なまでの緊迫感__コーエン兄弟の最高傑作誕生! メキシコ国境に近い砂漠でハンティング中に、偶然、死体の山に出くわしたルウェリン・モスは、大量のヘロインと現金200万ドルが残されてい....... [続きを読む]

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コメント

ぷくちゃんさんこんにちは。

>理性を混乱させるのに十分なものでした。だから彼は交通事故を起こしたのです
ぉお!なるほど!と思ってしまいました。

それにしても、異常さを見て"楽しむ"映画なわけですから趣味の良い内容ではないかも知れませんね。
見る側からしたら実際に自分ではしないかわりに映画を楽しむわけだからいいんですけどね。

TBありがとうございました♪

投稿: motti | 2008年3月20日 (木) 18:40

割引なしですか!素晴らしいですね。
記事に書こうかどうしようか迷ったのですが、
あたし無料で観ちゃいました。
っていうのもそこの劇場で以前
「いつか眠りにつく前に」を観た際に
途中で映写機の故障で20分の中断があったんですね。
帰り際に鑑賞券をいただきまして、
それで鑑賞しちゃいました。
アカデミー賞作品を無料で観るのはちょっとはばかられたのですけどね。

投稿: miyu | 2008年3月21日 (金) 09:28

mottiさん、コメント感謝です。
そちらにも伺わせていただきました。

>見る側からしたら実際に自分ではしないかわりに映画を楽しむわけだからいいんですけどね。

すいません、コーエン兄弟に詳しい人の前で偉そうなこと言ってしまいました。(汗)

もう一度しっかり見て観たい気がしました。できたら明るい部屋の中で。(爆)

投稿: ぷくちゃん | 2008年3月21日 (金) 09:44

うらめしやーmiyuさん、ただで観たんですか!

でもその前にそんなアクシデントがあったなら当然と言えば当然ですよね。

私は地元の映画館で「ドリームガール」を観るときに、途中で音飛びしますけれどいいですか?と尋ねられてやめた覚えがあります。(爆)

投稿: ぷくちゃん | 2008年3月21日 (金) 09:46

こんにちは!
私には少々難解な映画でしたweep
この作品に関しては、皆さんが色々な解釈をされていて、参考にさせて頂いておりますが・・・それでもよく分かりません~crying
何だか難しい詩のような映画だな・・・という印象で、何らかの解説やコーエン監督の作品についての前知識があって観た方が良かったかなぁ~と思っています。
それにしても・・・ハビエルは怖かったです。
何だか人間ではないような異様な空気を感じました。

投稿: 由香 | 2008年3月21日 (金) 12:02

TBとコメントありがとうございます。個人的に音楽のコラムが非常に気になっております。どんどんアップしてくださいませ!

投稿: yesquire | 2008年3月22日 (土) 11:10

由香さん、コメント感謝です。

私もコーエン兄弟、そう知っているわけでもファンでもないのですが、うまい具合にやられてしまいました。

多分、殺し屋の残虐なところは本当はとりだてて表現するところではないのでしょうね。だから後半ではさらりと・・・・

保安官のあきらめにも近い諦観が一番の言いたいところかなあ・・・難しい映画なのでもう一度観たい気がしています。

投稿: ぷくちゃん | 2008年3月22日 (土) 17:36

yesquireさん、コメント感謝です。

音楽レビュー、もういたずら書きです。何かに突っ込んでくれるとうれしいです。よろしくお願いします。

投稿: ぷくちゃん | 2008年3月22日 (土) 17:37

この作品こそが‘今のアメリカ’・・・
ベトナム戦争後の変容、理解不能な凶悪犯罪が横行する、
アメリカ人自ら感じてるからこそアカデミーなのかもしれません。
あまり好きな作品ではありませんが、
いろんな意味ですごい作品だと思います。

投稿: 未来 | 2008年3月23日 (日) 00:50

未来さん、コメント感謝です。

私も時間がたつにつれすごいものが押し寄せてきています。

殺人者は目的のためなら何人殺しても構わない。でもそれ以外は?自分の主義で人を殺す・・・ところどころつじつまが合わない殺人もあったような気がしました。(爆)

投稿: ぷくちゃん | 2008年3月24日 (月) 06:34

こんにちは~

理解出来ず疑問なとこばかりいっぱいで帰路につきました。
そうなんですか~あの時やはりモーテルの中に隠れていたのですね!あの時のチラリと見た通気孔はなんだったんでしょう?
隠れていることに保安官も気付いたってことだったんでしょうか~?

共犯だったのか?とか色々考えてしまいました。

投稿: hito | 2008年3月24日 (月) 18:52

hitoさん、コメント感謝です。返事遅れてすいません。

>そうなんですか~あの時やはりモーテルの中に隠れていたのですね!

いやあ、実は私もよくわからなかったりして。(爆)

>隠れていることに保安官も気付いたってことだったんでしょうか~?

事なかれ主義の保安官ですから、ありえそうですよね。(爆)

>共犯だったのか?とか色々考えてしまいました。

共犯ですか!そうだったら最高に面白かったですよね。

投稿: ぷくちゃん | 2008年3月26日 (水) 19:27

おはようございます。
TBありがとうございました。私もお返しさせていただきました。

>相手を理解できないようなことがある。そんなことを言いたかったのでは?と考えてしまいました。それが現代という時代なんだと。

この1週間というもの、そんなことに思いを巡らせることが多い日々でしたね。
歩み寄ろうにも?それすらできない。恐ろしいと感じます。
いつからこんなことになってしまったのでしょうね?

この作品は極端だし、エンターテインメントとは程遠い世界ですが、ある意味病んだ世の中に対する嘆きと、自分の存在意義に感して叫び的なものをトミー・リー・ジョーンズ演じる保安官から感じ取りました。


投稿: moriyuh | 2008年3月29日 (土) 08:10

moriyuhさん、コメント感謝です。

>この1週間というもの、そんなことに思いを巡らせることが多い日々でしたね。
歩み寄ろうにも?それすらできない。恐ろしいと感じます。
いつからこんなことになってしまったのでしょうね?

なんだか色々な事件の報道をテレビで見ていてもそのような感じを強く思います。ひどいですよね。

このような人間の心の不可解さはずっと昔からあったのかもしれません。でもそれは表に出てこなかった、いや出てくる頻度が増えてきたということでしょうか?

叔父が昔からあったと言っても、トミーリーは信じることができなかった。どんどん人間の闇の部分が表に出てくる世の中になった。ということなのでしょうか?いまだによくわかっていません。

投稿: ぷくちゃん | 2008年3月29日 (土) 15:40

観てきました。
なかなか面白かったです。
自分のルールに忠実に生きてる人はかっこいいと思います。
でもそれに他人を巻き込むのはよくありません。
ガススタンドのおじさん、コインの目を当ててよかったです。
次はロバート・レッドフォードの映画とジョージ・クルーニーの映画を観に行く予定です。

投稿: 名盤! | 2008年3月30日 (日) 17:46

名盤!さん、コメント感謝です。

おお、次はジョージ・クルーニー!ってことは「フィクサー」でしょうか?前売り券買いましたが、また、県を超えて観に行かなければならない私です。都会の人は羨ましいです・・・

レッドフォードはトムも一緒の映画ですよね。酷評が多いですが、はてさて・・・・

投稿: ぷくちゃん | 2008年3月30日 (日) 23:15

本日出張で東京に来ています。時間があったので、この映画を見てきました。

シガーが人を殺す理由は、それが任務(モスの殺害と金の奪還)を効率的に遂行するために必要だからだと思いました。だから、殺す理由のない人達(ガソリンスタンドの親父とモスの奥さん)は、コインの裏表で神に決めさせ、神の命令に従って自分の行動を決めてもらっていたのだと思いました。

おそらく彼はベトナム帰還兵で、命令のみが彼の行動を司るものであり、例え彼に命令したボスであろうと、彼の任務遂行の妨げになるのであれば駆逐しなくてはならない、と考えていたのだと思います。

しかし彼は、自分が自らの意思で人々の運命を決めていた思っていたが、実は自分が支配されていたということ事に気づいていなかった。そしてモスの妻の言葉によって初めて気づき、そのため混乱し、どのように行動すべきか分からなくなったということかな。ちがうかもしれませんが。

シガーはある意味純粋で矛盾無く生きている人間なので、その他の人間の少しの行動の矛盾が強調され、逆に地球上の大多数を占める普通の人間の愚かさを感じさせる映画でした。

シガーは悪い行動はするが、自ら悪い考えを創造することのできない人間。彼はあくまで道具であり、彼を使って悪いことをさせる人間は、その他の(悪人も含めて)普通の人間。そう、シガーは核兵器のような存在。そして、その核兵器は、その兵器を使った人間を殺してしまう。

我々はそういう世界に生きている。。。

投稿: getsmart0086 | 2008年4月 8日 (火) 00:33

ゲッツさん、本部によりすぐれた感想くやしいです。

私も殺し屋の視点は変わっていると思いながら、一応保安官の視点で観ようと努力したわけです。

>そしてモスの妻の言葉によって初めて気づき、そのため混乱し、どのように行動すべきか分からなくなったということかな。

これはその通りだと思いました。あの時に確実に混乱していました。だから事故を引き起こしたのです。

>そう、シガーは核兵器のような存在。そして、その核兵器は、その兵器を使った人間を殺してしまう。

我々はそういう世界に生きている。。。

ゲッツさん、格好良すぎます。確かにその通りだと思いますよ。道具にやられてしまうんです。人間って。

>本日出張で東京に来ています。時間があったので、この映画を見てきました。

ゲッツさんの上司の方!この人遊んでいますよ!(爆)

投稿: ぷくちゃん | 2008年4月 9日 (水) 03:35

ぷくちゃんさん、こんばんは♪
本日が初日でした。
ようやくアカデミー賞受賞作を見る事ができたわけですが、うーん、正直言って「この作品が?」と思いました。
確かに緊迫感はあったし、保安官の嘆きの中にアメリカの心情があるのかもしれませんが・・・。
うーん、という感じです。
本当に言いたい事はあまり分かりませんでしたが、「何か」は感じたように思います。

投稿: ミチ | 2008年5月 3日 (土) 21:52

ミチさん、コメント感謝です。

>ようやくアカデミー賞受賞作を見る事ができたわけですが、うーん、正直言って「この作品が?」と思いました。

同感です。(爆)なぜこれが?評論家受けが良かったのですかねえ?

確かに「何か」は感じましたが、それは一度の鑑賞ではわからないような感じがしました。

投稿: ぷくちゃん | 2008年5月 4日 (日) 05:26

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